ヤズルマの剣士と賢者の地下迷宮

男爵家の次男に生まれた平凡な少年、マルク・ニブルノアは、かつて古の賢者ミルディンが造ったとされる遺跡──通称『賢者の地下迷宮』がある辺境の町ヤズルマへとやってきた。

迷宮を管理するため王国によって設立された探索者ギルド、その長である叔父バルディオの仕事を手伝うことになったからだ。

賢者の地下迷宮は無数の罠が仕掛けられ、恐ろしい魔物が潜む危険な場所。
その奥では、徘徊する死神の影さえ目撃されているという。

しかし、迷宮では魔物から得られる魔晶石に加え、賢者が製作した強力な魔導具が発見されることから、ヤズルマを治めるエルミナス王国は探索者による迷宮侵入を奨励しているのだった。

ギルドの職員となったマルクに与えられた最初の仕事は、迷宮内で発見された一振りの刀を彼の下宿先でもある雑貨店の主、…続きを読む