空虚な瞳を持つ少女は楽しさを求め生きる。

鉄とコンクリートに囲まれた空間で、手首に打ち付けられた杭、足に纏わりつく鎖。自由の利かない空間で彼女は死を迎える。

何度も……

衝撃的なプロローグから始まる物語の主人公『麻上 永』は15歳。何度も死を迎えた日から時が経ったある朝、図書館へ向かう為バスに乗る。
不幸にもそのバスがバスジャックにあったとき、彼女の取った行動とは?

ここからは是非本編を読んで確かめていただきたいです。永の持つ能力、味方や敵が扱う能力の数々。そして巻き込まれていく事件に潜む影。
現代社会の裏で行われる能力バトルは派手さもあるが、どちらかというと頭脳戦メイン。この駆け引きとギリギリ感は、読んで味わっていただきたいオススメのポイントです。

そして、空虚な瞳を持つ永が、心を持つことを渇望し、葛藤する姿。淡々と語られる彼女の言葉の中にある心の揺れを感じ、彼女の行く末を見守りたくなる作品です。

是非一読をオススメします!

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