業を背負った元勇者は少年となり何を成すのか……

 人類に仇成す魔王を封印した勇者を誰しもが讃える。だが勇者であることは見た目の煌びやかさとは違い魔をだけでなく、本来味方であるはずの人も始末する。
 希望の象徴であり続けるために闇を抱える矛盾からの葛藤。手放したくても血に染まった手から離れない刀、そして他の生き方を知らない勇者は自らの死を神に望む。

 なかなか業の深い出だしから始まる物語は、死を望んだはずの勇者が少年に戻され困惑すること、そんな主人公に派遣された専属メイド、主人公の職場に派遣された新人の女性。謎と程よくエロスが混ざり進んで行きます。
 
 かつては勇者と呼ばれた主人公も少年になってしまい、背丈も筋力も失い弱体化してますが経験はある。見た目の幼さと違い大人な思考、女性の色気に困惑しながらも理性的に対応する辺り好感が持てます。

 まだまだ物語は始まったばかりで、進むにつれ謎は深く広がりを見せます。元勇者であるタツミヤ セツナ、そして周囲の人たちがたどり着く結末がどのようなものになるのか非常に楽しみな作品です。

その他のおすすめレビュー

功野 涼しさんの他のおすすめレビュー240