勤務先のリアルな人間関係の中での怪異と謎。全てが絡まりあう時、恐怖が

襲い来る!
 少なからず人は職場において自らを作る。いわゆる、よそ行きの顔である。それは一方で同僚への気づかいであり、他方で自らを守るためである。
 本作での主人公の仕事はまるで怪異と謎にお仕えする如くであった。
 作者がその巧みな筆致で描き出すところの職場の人間関係はリアルであり、ゆえにこそ、その中で主人公が出会う怪異と謎の印象も、また、いや増す。一見、作者が見事に作り上げたこのコントラスト(対比)の中で、物語は進み行くと想われるが。
 ただ、最終局面へ向けて物語が加速するにつれ、全てが絡まりあい、その真の姿を現わす。それがいかなるものかは、貴方自身の目で確かめて欲しい。

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