ホラーじゃない、ホラーじゃない、ホントのことさ

 「ワイ、ホラー作家なのに、ホラーが書けない……」
→「せや! ホントのこと(創作の舞台裏)を書けばええんや!」
以上が、素人ホラー作家・紫桃(しとう)の悩みと、その結果、行きついた結論です。
※実際の紫桃さんは関西弁を使いません。

で、その創作の舞台裏=ホラーのネタを提供してくれる友人、霊感のあるコオロギさんへの取材の状況、主に飲み会のシーンが描かれていて、これが結構楽しいです。

このお話がホラー小説である、ということを忘れるくらい楽しい……ですが、そのおかげか、時折挟まれる「ホラー小説」の怖さが増すのは、私の気のせいでしょうか。

あと、コオロギさんの霊感話も、取材という形式を採っているので、リアリティをマシマシにした恐怖を与えてくれます……「ホントのこと」って感じが怖いって思うのです。
自分も「何か」に引っ張られるんじゃあないかって怖さが……。

……おっと、そろそろ終わりにしろって引っ張られているので終わりにします。
え? 今、誰が引っ張ったの!?

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