ホラーが書けない
神無月そぞろ
素人ホラー作家の舞台裏
序
00 とあるクリエイターの悩み
俺は趣味でホラー系の小説を書いている。
ホラー系の物語は不運な出来事がさしこんで理不尽な流れに進むのが定番だ。
平和が壊されて不安や恐怖の展開が続くホラーは、読んでて落ちつかないし、バッドエンドを迎えて、後味の悪さをしばらく引きずることだってある。
それなのに人がホラーを求めてしまうのは、非日常やスリルを疑似体験したいからなんだろう。
俺の小説は体験談をもとにしてるから、リアリティーをもたせるため、聞いた話は大きく変えないよう心がけている。
(ただし個人情報やプライバシーに配慮して加工している)
でも怖さを表現することが難しくて……。
俺に文才がないこともある。それは認めるよ。
しかしほかにも問題があり、ホラーを書く者にとっては致命的と言ってもいいかもしれない。
致命的な問題…… それは……
体験談をそのまま書くとコメディーになってしまうんだ。
状況や流れは気味が悪いのにラストがコメディーになる小説。それってジャンルをホラーに設定していいものなのか?
俺の小説ネタは複数人の体験談ではなく、一人の友人からのものだ。
そいつはクリエイターが涙を流して喜ぶような奇妙な出来事に遭遇していて、まるでネタの詰まった宝箱のような存在だ。
そんな友人に恵まれた俺は幸運なのだろう。
しかし物事はすんなりといかないのが世の常だ――
だからオチには期待しないでくれ。
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