うらみ通りの藁人形◆反省会


 定例のあとがきという名の反省会です。

 本編ネタバレを含みますのでご注意ください。




・・・・・・*




◆今回の反省点

・勢いとノリで始めたのでいろいろ浅いし薄い

・最終決戦の途中で過去回想に突入するなよ…

・読む人を選びそうなエンディング


◇今回のよかった点

・今まで書いたことのない戦闘スタイル(ワイヤー)に初挑戦

・短くまとめられた(当社比)



・・・・+



◆反省点ふりかえり


→勢いとノリ

そもそもついったーでの一発ネタから始まってるので…。

事前に調べるということをほぼしなかったので人形とか呪術とか、物語のキモになる部分の設定ですら参考資料がネット情報だし、そのほとんどがWikipedia参照という驚きの浅さ。

熟成期間も1ヶ月かそこら、それもストーリーの枠組み作るだけで終わってるレベルなので、キャラクターもほぼほぼ事前打ち合わせなしのオール一発撮り。全員初登場時に初めまして状態だったので非常に手探りでした。

逆に考えてよくそれで終われたな?偉いね私。(※長編完結させたとき特有の高揚感により正常な判断ができない状態です)


→過去回想

しかもグランギニョール再突入くらいまでアーサーさん自体が存在してなかったってマ?

マです。なんで最初のチャーリー発言も私もチャールズのことだと思ってた。笑

英国ベアまとめサイト見てて、チャーリーズベア…あっ…これ組み込めるな…と気づいてそっから突貫でねじ込んだのでしれっと二章中のストローの証言とは矛盾しています。ぼくはしょうじきものなのでこっそり直したりはしません…(震え声)

また恋愛理由かよ…みたいな気持ちもなくはなかったけどアラサーカップルのイチャイチャは書いてて楽しかったので良しとする。


→エンディング

最初はストロー復元する気満々だったんですよ…それこそ第一話冒頭ポエム(元はついったーで上げた140字小説)に絡めてコットンドールに生まれ変わらせたかったんだ…。

でもキューが言うように「ただ燃えたんじゃない」のでどうあがいても心臓が焼け残ってくれないので無理でした。


てなわけで久々にメリーバッドエンドでした。

ストローは満足してるってさ。



◇よかった点ふりかえり


→ワイヤー

からくりサーカスが大好きです。(挨拶)

発想時点でのクワイエット嬢は声帯模写してパペットと同じ強度でGG社製の人形を操れる設定だったんですけど、強すぎてつまらないのでやめました。

あやとり苦手民なのでワイヤーバトルとかわけがわからなかったし今でもわけわからんのですが、戦場を立体的に捉えて場を支配するって面白いなぁと。あとそのおかげで最終戦でテディと共闘できたので(ストローみたいに徒手格闘とか他の武器ではテディが動きを理解できないので手伝えない)そこも自分GJ。


→短め

いつもバカみたいに長くなるので必死に削りました。

これでも当初の予定では25〜30話でワンクールアニメくらいの情報量かなって思ってたので倍かかってんですけどね。己の見積りの甘さはよく理解できました。笑

基本倍かかる。過去編も5話くらいのつもりだった。




・・・・・*




◆用語の元ネタメモ

基本的に社長以外は人形関係とテディベア関係(人形だけでは賄えなかったのと英国=テディベアと思う程度にベア好きの家庭に育ってるので…)の言葉で構成されていまっする。

普段は造語マンなのでこういう遊びは新鮮でした。



●人名編


*セオドア・ウィットニー/テディ

セオドアおよびテディ

 →言わずもがなテディベアとその名称の由来になったアメリカ大統領セオドア・ルーズベルト

ウィットニー

 →イギリスのテディベアブランド「メリーソート」社のショップがあることでクマオタにはお馴染みのコッツウォルズにある町の名前


*リチャード・ホームズ

リチャード

 →ドイツのテディベアブランド「シュタイフ」社の創業者マルガレーテの甥リヒャルト・シュタイフ→リヒャルトの英語読み

ホームズ

 →メリーソート社の創業者ゴードン・ホームズ


*マーガレット・ホームズ

マーガレット

 →上述のマルガレーテの英語読み


*チャールズ・フォークス

チャールズ

 →実在したアメリカ屈指のサイコ野郎カール・タンツラー(ドイツ系)→カールの英語読み

 簡単に説明すると、既婚者にも関わらず病気の若い女に入れあげて嫁そっちのけで貢いだすえ、彼女が亡くなったあと墓を荒らして遺体を盗み、ド適当にエンバーミングした挙句にダッチワイフ化した狂人

フォークス

 →ガイ・フォークスという昔イギリスで国王暗殺未遂した有名な人

 彼自身は人形には縁もゆかりもないけど、彼の事件がきっかけになったフォークスナイトっていう人形を燃やす祭がある


*アーネスト・アイアンブリッジ

アーネスト

 →バレエ等でおなじみ「くるみ割り人形」作者エルンスト・ホフマン→エルンストの英語読み

アイアンブリッジ

 →前述のメリーソート社創業の地


*アーサー・ローンソン

アーサー

→バレエでおなじみ「コッペリア」の台本・振付のアルトゥール・サン=レオン→アルトゥールの英語読み

ローンソン

→イギリスのテディベアメーカー「チャーリーベアーズ」本籍地のコーンウォールの地名


*シャーロット

→「チャーリーベアーズ」創業者モリス夫妻のうち社名の由来となった妻シャーロット・モリス

 生地屋のミセス・モリスもそこから



*人名おまけ


・魔女バーバラ

→バービー人形(バーバラ・ミリセント・ロバーツ)から

・本編で名前出てこなかったけどアーネストの親友でクワイエットに糸繰りを教えた人:ヘンリー

→戯曲「人形の家」作者ヘンリック・イプセン。英語読み。まあ人形の家ってタイトルなだけで人形は出てこない話ですけど(自主性が奪われた女の比喩らしい)。



*地名


・ペープサート

「紙人形芝居」を意味する和製英語。たぶんペーパー・シアターが訛ったもの。


・パンチ通り/ジュディ通り

ヨーロッパ、とくに英国でおなじみの人形劇のテンプレ「パンチとジュディ」から。


・ビリー通り/アナベル通り

ホラー映画枠。「SAW」シリーズのビリー人形と「死霊館」シリーズのアナベル人形から。

ちなみに「デッドサイレンス」の腹話術人形もビリーって名前らしい(SAWと同じ監督の作品)


映画繋がりで言うと社長の名前のチャールズは「チャイルド・プレイ」のチャッキーことチャールズ・リー・レイともかけているとかいないとか。

他の有名どころだとパペットマスターとかはまだ観てないので参照できませんでした。



*その他


・グランギニョール

「大いなる悲劇」を意味するフランス語。悪趣味系人形劇場として流行ってたらしい。

創始者の名前がオスカルさんなので社長にミドルネームつけるならオスカーかなと思ったけど英国人にオスカーあんまりいないっぽい?(検索に出てくるのはたいていアイルランド系)

まあ英国風の異世界のつもりなので細けぇこたぁいいんだよの精神でいいんですが。


・グッドガイカンパニー

人形ホラー映画の代名詞「チャイルドプレイ」に出てくるチャッキーの商品名グッドガイ人形。

株式会社善男。


・エニグマレル

ものすごく精巧なからくり人形の見せ物。……という触れ込みだったけど中に人がいました。

これ系でトルコ人(チェスをやるからくり人形で中の人説があった)もねじ込みたかったけど入れる場所がなかった無念。


・ピグマリオナイト

元祖フィギュア萌えの人でお馴染みのピグマリオンさんの名前を鉱物風にした。




・・・・・・*




◆イラストまとめ

→https://mitemin.net/search/search/?word=%E3%81%86%E3%82%89%E3%81%BF%E9%80%9A%E3%82%8A%E3%81%AE%E8%97%81%E4%BA%BA%E5%BD%A2

一部は近況ノートでも公開しています。

あとなろう版(https://ncode.syosetu.com/n3379gz/)では裏設定とかぐだぐだした所感を語ったりしてるのでご興味ある方はどうぞ。




・・・・・*



◆おわり


最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

あなたの眼に止まったことがこの作品の幸運です。

そしてよろしければまたいつか、別の作品でもお目見えできれば、作者もこの上なく幸せです。



あ、でもお別れの前にせっかくなので最後に宣伝を少々。



:エログロ耐性ある方向け:


『斯くて雌羊は血に餓えぬ』(連載中)

元傭兵のアラサー男、自称聖女で不死身の暗殺者に襲われ撃退するも家に居候される。

そこから始まった穏やかならぬようなそうでもないような同棲生活。ふたりは徐々に惹かれ合うが、互いの過去が邪魔をする。

一方あるところに悪魔が視える兄と天使が視える妹がいた。兄は無実の罪で投獄されていたが、とうとう悪魔の誘惑に抗えず脱獄してしまう。

正気を失い復讐に走った兄は、教会にいる最愛の妹の身に危険が迫っていることを知り――。


「家族愛」をテーマに、血と狂気と貧困と性暴力で綴るゴシックダークファンタジー。ときどきラブコメ(ほぼ瀕死)で剣戟アクション。

グロ度合はこの藁人形と大差ないのでこれが平気だった人は大丈夫です。



:レイティング要素のないものが好ましい人向け:


『北の学舎の子どもたち(仮)』(準備中/タイトルは変える予定です)


召喚魔法「紋唱術」を学ぶため、首都の国立紋唱学校に通っている少女リェーチカ。出自が原因で差別やいじめを受けつつも、頼りになる親友に恵まれて、毎日めげずに前を向いている。

そんな彼女の生活は、夏休みの課題のために訪れた山で一変した。

なぜか急接近することになったのは、いじめグループのボスで「氷の王子」とあだ名される、何もかもリェーチカとは真逆な少年。怖いから正直お近づきになりたくないんですけど……!


魔法学校が主な舞台の、友情と恋愛ときどきバトルの青春ヒューマンドラマ、の予定。

完結作『幸福の国の獣たち』スピンオフ。完結後の話ですが続編ではありません。なので前作を読んでおく必要はない仕様です(ヒント:文量)。



 ではまたいつか、どこかでお会いしましょう。


 空烏有架カラクロアリカ 拝



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