21は陸上部に所属する主人公にとって、魔法の数字。約数である3も7も縁起がよくて、結婚式の日にちでも縁起がよくて、三角数だし、フィボナッチ数。そんな主人公が同じ部活に所属する後輩くんに告白された数は、20回。あと1回、21回目になったら、その時は……ところが、21回目は中々来ない。これは、諦められたのかな、と思いきや……。主人公も後輩くんも、中々引っ張りまくるなぁ! と思いました(笑)
KAC第7回「21回目」のテーマで書かれた青春恋愛短編です。受験を控える主人公、花梨は陸上部で走るのが大好きな女の子。部の引退で走ることへの未練を残し、勉強へ専念しようとするのですが……。21という数字。物語のキーワードになるのですが、様々な21があるんだと感心しました。読みやすい文章に、キャラクターの生き生きした表現。どうなるんだろうっと思わせる展開に目が離せません。春の陽気に合わせた、青春ラブストーリー。初々しく甘酸っぱい短編小説は如何でしょうか。
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