紅雪が千年の眠りから目覚め、現代の世界に新たな一歩を踏み出す冒険が始まる『呪縛解封師‐君想うゆえに君ありて‐』。この物語は、過去の愛と喪失に向き合いながら成長する紅雪の姿を描いており、彼女の新たな出会いが物語の核となっています。
城田柊哉との運命的な出会いは、物語のスタート地点に過ぎません。彼のクラスメートである西園寺椿や人形の葵との関わりが、次第に紅雪の心を開かせ、彼女の成長を促します。特に、紅雪と葵の交流は、友情や愛情の深さを感じさせ、心温まるエピソードが散りばめられています。
物語が進むにつれて、キャラクターたちはそれぞれの内面と向き合い、過去の傷や葛藤を乗り越えようとします。柊哉の子役時代のイメージに縛られた苦悩や、葵が愛する藤臣への想いと自己の成長との間で揺れる姿は、読者に共感を呼び起こします。
桜の世界や神社でのシーンは、幻想的で美しい描写が印象的です。特に、神社での逢瀬を待つ葵の心情が繊細に描かれており、彼女の期待と不安が伝わってきます。再会した葵と藤臣が過去の出来事を振り返りながら愛情を確認し合う場面は、感動的であり、彼らの絆の深さを実感しました。
『呪縛解封師‐君想うゆえに君ありて‐』は、永遠の愛と成長の物語であり、読み終えた後には心に温かい余韻が残ることでしょう。過去と未来を繋ぐこの物語は、ぜひ多くの人に読んでいただきたい一冊です。
仕事の合間を縫って拝読させていただきました。じっくり読みたいと思って時間はかかったのですが、普段ファンタジー系をあまり書かない私自身でも作者様が何を伝えたいのかという思いがこの作品の中に全て詰め込んである一作だなと思いました。情景描写も丁寧で自然と頭に中に画が浮かんでくる。ファンタジーもののほとんどはその作者の思惑通りに意図的に書く方も多いなか、紅雪さまの純真な心情が事細かく台詞の中に詰め込まれていました。そういったように描くことは本当は大変な事でありますが、何をどうすれば読み手の方に世界観を届けることができるのか考えながら描いている。そのような印象付けの強い作品でした。是非読んでいただきたいです。素敵な作品に出会えてよかったです^^
読後です。
1000年。誰かを待つことが出来るとすれば、強く誰かを想って愛することが出来る者だけではないかと思います。このことを体現しているのが今作です。
ヒロインである葵、想い人の藤臣。
紆余曲折の末に離れ離れになってしまった2人。何処に行ったか、居るのかも分からない。それでも、諦めず、一心に想い人を探し続ける。互いを想い続けているからその純粋さがより美しく、際立っているのだと思います。
ここまで書くと葵が恋愛にストイックなキャラクターに思えてしまいますが、ケーキを始めに甘い物に目が無い可愛らしいヒロインです。詳細はネタバレになってしまうので割愛しますが、文章を読むとその可愛さも伝わると思います!!
美しい物語を求めている方におススメの作品です!!!
あなたは好きな人を想って1000年待つことができますか?
あらすじからの作者様の投げかけ。
もう、これがすべて。
これにつきるんじゃないでしょうか。
中軸は、千年間、待ち焦がれていた想い人をめぐる
そんなラブストーリー。
その合間に、時代に翻弄された姉妹。
妖たるヒロインの正体。
家の問題。
友人の恋慕。
自己のアイデンティティと、この物語を取り巻く要素が非常に豊かで。
個人的には、主人公の柊哉君。
彼が本当に良い人で、
それぞれの想いを後押ししてくれる。
でも、彼も抱えているものがありそうで。
レビュワーが男性ということもあるのですが。
柊哉君には、ぜひ幸せになって欲しいと思います。
この物語では、梅の言葉が重要なキーワード。
梅の花言葉は
「忍耐」と「高潔」
この物語のヒロインに相応しいって思うけれど。
この物語に登場する、メインキャラクター達、みんなに言えそうな気がします。
それぞれにとっての。
読む人にとっての。
桜の園ではなくて
梅の園を見させてくれる
華美ではない。
煌びやかでえもない。
優しく、包み込んでくれて
仄かに、香る。
まさに梅の花言葉。
そんな物語に、出会うことができました。
キャッチコピーに偽りなしの作品です。
さらに、純愛調で進むのかと思いきや予想を超えて物騒な展開がいきなり始まるため、心を鷲掴みにされてしまいます!
目的が明確なため、まだまだ謎が積まれている中でも読む側として視点が一切ブレることがなく、話が頭に気持ちよく滑り込んできます。
登場人物の妖は1000年という重みに説得力を持たせる真っ直ぐな想いと現代に戸惑いつつもそれを楽しむ子供心が同居しており、ついつい応援したくなるとても魅力的なキャラとなっています。
まだまだ読み始め、かつ完結していない状態ですが、書かずにはいられなかったため、レビューを投稿させていただきました。
今後の恋の行方に期待しています!