同志紹介

「槐。ちょっとちょっと」

学校に登校した僕は、元気溌溂なソプラノボイスにいつものように声をかけられる。

「朝からうるさいぞ、葵。おはよう」

と、僕も毎回同じように、挨拶を返す。

目の前にいるのは、背は自分より低めで、髪は短めの、やたら高音の日向葵(ひなたあおい)だった。

「うん。それはいいとしてさ。

 チュッパチャップスって響きエロくない?」

どんな奴かというと、開口一番にこんなこと口走るやばいやつである。

ちなみにここはここ学校の廊下である。

今までの僕だったら、返答に詰まっていたものであろうが、今の僕は一味違う。

「やんやん付けボーとかどうすか?」

と返すほどの強者である。

…すみません。僕もやばいやつでした。

「それいいね!さすが槐。そこに痺れる憧れる」

重度の漫画好きでもある。

「あ、そういえば、菖蒲さんと、蓬さんは?まだきてない?」

そう聞かれた僕は、首を後ろに向け、また前に戻した。

実に効率的な確認の仕方である。

はっはっは。

補足をしておくと、菖蒲さんとは、柏木菖蒲(かしわぎあやめ)さんのことだ。

彼女は僕らの中で一番推しに対して思い入れがある人だ。

(当社調べ)

人呼んで戦場の点P。

彼女が動くから全国の受験生が困ると言っても過言ではない。


蓬さんとは、新田蓬(にったよもぎ)のことで、蓬さんは、僕の数少ない物書き仲間で、フィジーと言うキャラクターの、作り親でもある。

それと、あまり知られていないが、蓬さんと僕は幼馴染だったりもする。

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