あほの子葵ちゃんの爆弾発言

 昼休み、葵からの伝言があった。

放課後に、いつものメンバーで職員室前に集まってほしい、とのことだった。

僕は、また何か変なことをしでかすのではないか、と不安に思っていた。

なぜなら、一回葵が、学校の読書に、薄い本を読んでもいいかと、先生に直談判したことがあったのだ。あれは、マジでビビった。

そんなことを思いながら、暖かな日差しを浴びて寝た。(教室で)

のどかだなぁ。

 

 そして放課後、僕はよく寝たな、と思いながら、約束の職員室前に向かった。

職員室の前には、葵をはじめとして、いつものメンバーこと、6人が待っていた。

僕が一番最後になっていたらしい。不覚だ。

 

僕が着いた途端葵がこういい放った。

「今から部活を作ってくるから」

「………?」

 みんな一様に同じリアクションをとった。無理もないだろう。

だって、部活を作るって。アホかこいつ。

…アホだったわ。

「でも、そんな簡単じゃないでしょ?」

と言ったのは、真面目陣営(仮)の、菖蒲さんだった。

うんうん。そうだそうだー。

「まあ、この葵さんに任せなさいって。あ、槐も一緒ね。」

おい、さらっと今結構なこと言ったぞ。

「聞き捨てならないが、おい。僕は行かないぞ。めんどくさいし。」

「え、それでも男?…男かな?」

「おい、自分で自分に聞いてどうする。それちょっとショックなんだけど!」

こんな僕の必死の抵抗は聞き入れてもらえず、

「ちょっとくらい、いいでしょ。いいからくるの!」

と言われ、やむなく着いていくこととなった。

やれやれ。

自分でも押しに弱いと思うよ。僕は。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る