奥深いダークな短編集、この暗闇世界をご堪能あれ。

こちらは短編集となっており、その雰囲気は全体的にシリアスでダークな仕上がりとなっています。
7つのお話が綴られているのですが、その中でも私は『勇者』『リブラリア』『猫』がとても好きです。

7つのお話それぞれ、切なさの残るハッピーエンドだったり、バッドエンドかもしれないけど心に残る暖かさがあったり、思わず自分のことのように考えてしまうものだったり、それぞれ奥行きがある素晴らしい作品集となっています。

読んでいて、作家さまの描かれる世界が分かるというか、ただのハッピーエンドじゃ終わらせない、終わらせたくない、という独自の考えがひしひしと伝わってくるような、きちんとどの世界でも厳しい『リアル』を描かれる方なんだろうな~と素人なりですが、感じてしまいました。
個人的にこのような作風が大好きなので、また他作品も読みたいなと思っています。

奥深いダークな世界を堪能されたい方にぜひ触れて読んでいただきたい物語集です。

追記:「短録.綿津見の原に往く」、悲恋物語なのですが、そのカップルがとても尊く、美しく、切ないのです……。もうめちゃめちゃオススメですのでぜひ読んでみてください!!

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