孤独で小さい者たちへ向ける繊細なまなざし

筆者が心を動かされた詩や創作物の紹介を中心に、そこで感じたことや筆者自身の思いが添えられたエッセイです。
目立たないもの、孤独で小さな存在、光の当たらないところ。そんな一隅に繊細なまなざしを向け、柔らかい明かりを灯すような文章。真摯さの中に少しのはにかみを含んだ語り口は心地がよく、すっと胸に入ってきます。と同時に、ひと言で言い表せない感情や深いテーマを読者へ問いかけ考えさせる、静かな力があります。
忙しく過ぎる日常の中で、ふと立ち止まる時間。道端の花に思いを寄せるような、埋もれてしまいそうな何かをそっと掬い上げてくれる作品です。

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