残した者と残された者、思いが通じるときはいつ?

生まれ変わりからの再会で恋をした幼馴染はなんと自分の高校の先生──という、一見分かりやすそうで実はなかなか展開の難しいお話を、流れるような文章でユーモアを込めて描かれています。
前世の自分と現在の自分というはざまで葛藤する主人公の気持ちが、手に取るように伝わります。それと同時に、相手である先生の繊細な感情の動きにも注目したいです。それは主人公とは反対に残された者としての虚しさ、寂しさ。それにとらわれて生きていること。それを現在の主人公がどんなふうに変えていくのかも読みどころです。
残した者と残された者の思いが通じるのはいつなのか。
甘酸っぱさと切なさがいっぱいの青春ラブストーリー。読後感も幸せな一作です。

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