青く、蒼すぎず、高くふかく
遊井そわ香
世界が優しくありますように
相談機関で、電話相談のボランティアをしたことがあります。
ある日、かかってきた電話。
彼女の声はとても小さくて、私は受話器に耳を押しつけ、全神経を集中しなければ聞き取れなかった。
「虐待を受けていたけれど、周囲の助けがあって、その環境を抜けだせた。今は、精神病院に通っています。今日初めて、働きたいと思った。精神科の先生に反対されるかもしれないし、面接で落とされるかもしれない。でも、社会にでたいと思えたことがすごく嬉しいんです」
働くことは簡単じゃない。職場が理解ある人たちばかりとは限らない。意地悪な人は世の中にたくさんいる。
だからこそ、世界が彼女に優しくありますように──と願う。
勇気を出して人生を歩もうとする人に、人々が寛容でありますように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます