乱歩のまなざし

作者 飯田太朗

乱歩×心理学⁈きっとあなたも、世界を新たな角度から『覗き見』したくなる

  • ★★★ Excellent!!!

江戸川乱歩という作家を心理学的な視点で研究したら、いったい何が見えるのか。
この一見ミスマッチとも思えるテーマで卒論を書くことになった女子大生のお話です。

キーワードは、タイトルにもある『まなざし』。
乱歩の作品には『覗き見』のシーンが多く登場する。それはなぜなのか。
文学部の主人公は、心理学部のイケメン准教授のアドバイスを得て、その謎を掘り下げていきます。

専門的な用語や論理も、軽妙な会話の応酬の中で説明がなされるので、すっと頭に入ってきます。
就活や卒論で自分の意思を見失いかけた主人公が、学問の面白さに目覚める。その心の動きが実に自然で、深く共感しました。

卒論発表のシーンは、まさに圧巻!
作品の中に隠された作家の心を、如何に読み解くのか。
こんな視点があったなんて!と、鮮烈な驚きと凄まじい納得感がありました。

知識を得ることで、世界の解析度が上がる。
それを体感できるという、稀有な読書体験でした。
とても面白かったです!

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