かくも事件には暗い群青色がよく似合う

 日常を、ちょっとした狂気が侵食していくように感じる物語です。

 ひとつひとつは本当にちょっとした事で、名誉に関する事、プライドに関する事など、デフォルメされているとはいえ、実社会でもあるように思わされるものでした。

 放課後の描き方が上手く、地の文、会話文から感じられる雰囲気に、夕方の空気が感じられ、それが物語の展開と共に夕闇が迫ってくるような印象になる事も、秀逸な文章が書けている事の証拠のように思えます。

 所々、抜け落ちているのではないかと感じる、意図しているところは何かと思わされる点もありますが、その点にこそ、深読みする魅力があり、私を物語に引き込んでくれました。

 現在、レビューしている時点では7話までしかありませんが、今後も追っていきたい物語です。

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