遺の聲　～ゆいのこえ～

「遺の聲」、この言葉が意味するのは何か？
特殊清掃と言うなじみの少ない職業を目線としたドラマ。
序盤は仕事の過程が淡々と書かれ、清掃員と依頼者の微妙な心の動きに注目しました。
そして後半に進むにつれ、物語から目が離せなくなりました。
予想を超えた意外な展開、そして拝読後に心に生まれる哀愁。
特殊清掃の意義とは？　そしてタイトルの意味は？

読者をじんわりと惹きつかせる、素敵な短編ドラマです。

内容的には刺激が強く、ふら〜っと読みに来ると驚いてしまうと思う。

作者さまは「カクヨムで受ける作品ではない」と仰っておられますが、私としては、このような作品もカクヨムで読めたらいいのにとかねてから望んでいましたので、シリーズ化してくださったらフォローしなくちゃと心に決めました。

最初のほうで「もしかしたら、これは、あれかな、こういう設定かな」と思ったことが、「もっと凄かったー‼︎」となります。

名もなき聲。
気づかれることのないことが普通の、想い。
既に失われた、届かぬ心。

適職ですねと言ってしまいそうなのですが、特殊清掃という精神的に大変な負担のあるお仕事で、この物語は優しく、そし…続きを読む