超能力という新たな力を得た人類、心のあり方が問われる

現代社会に出現した超能力。人はその強さをランク分けし管理する。本当に超能力が出現した場合、国はこうやって国民を管理するんだろうなと感じさせてくれ、納得のいくものです。

テレポートの能力を持っていたら、窃盗なんてし放題ですから、対策の取ってあるお店にしか入れないですし、気軽に買い物や外食も出来ないというリアリティ。
なんでしたら、その対策用の機械はなぜ、超能力に干渉し対策となるのか、なんて細かい設定が緻密に盛り込まれています。

その緻密な設定に人間関係を加え、甘酸っぱいロマンスを繰り広げる。どんな力を得ようとも、力を使うのは人間であり、そこには人の想いがあり、色んな感情があるんだということを教えてくれます。

緻密な設定なのに、説明を押し付けることなく、日常の中で然り気無く教えてくれますし、ラストまできっちりと魅せてくれるこの作品を、是非とも読んでほしいです。

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