概要
史実の書を写本する男の元へ、亡霊達が墨にまみれた真実を伝えに来る
写本を生業とする男の元に怪しげな大狸が現れ、千年分の史実の書を写本するように命じる。
男は怖々と依頼を受けるが、死者の舞い戻るといわれる雨の日になると、史実の書に記された亡霊達が訪ねてくるようになる。
亡霊達は、真実は違うと語りそれぞれに曰くのある珍品を置いて去って行くが・・・・・・。
男は怖々と依頼を受けるが、死者の舞い戻るといわれる雨の日になると、史実の書に記された亡霊達が訪ねてくるようになる。
亡霊達は、真実は違うと語りそれぞれに曰くのある珍品を置いて去って行くが・・・・・・。
いつもわたしのお話を読んでくださってありがとうございます。
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- ★★★ Excellent!!!亡霊が語るは《史実》か、真実か
雨の降り続ける晩、写本を生業とする「私」のもとに訪れたのは荷を抱えた大狸。大狸が荷をほどくと驚くほどに分厚い書が現れた。大狸はそれを《千年分の史実》だという。これを何十年掛かっても複製してほしいと。
やむなく依頼を引き受けた「私」だったが、雨が降るごとに史実に登場する亡霊が訪れるようになり――
この冒頭だけでも、いっきに惹きこまれました。
史実とは勝者が創るものであり、後に生き延びたものたちが築いていくものです。それゆえに史実が真実であるとはかぎりません。されども真実が史実になることもまた、ないのです。
その違いを「私」はどう綴るのか。乾かぬ筆とはなんなのか。亡霊が語るのは史実か、真実か、…続きを読む