吹き抜けて

 悪魔の気紛れが気象的にも精神的にも嵐を起こし少年を弄ぶ。
 彼女の淡く薄い、それでいてどこまでも沈んでいきそうな印象はまさにぬばたまの闇だろう。読みながらびょうびょうとうなる風を感じ、読み終えると雲が払われて現れた満月を浜辺から見上げる、そんな感覚だ。
 必読本作。

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