主人公が冬の駅で出会ったのは、「春」を妹にもつ振袖の女性。たおやかな日本語で紡がれる、冬の精とのひと冬の物語。いつもながら透徹した日本語の妙に息を飲まれる、美しい物語でした。
にんげんがくるしむさくひんがすきです
まず、現代ファンタジーを私もたまに書くので、たくさんある作品の中からこちらを読ませて頂きました。とても純文学的で、素敵な話でした。また別の作品も読みにきますね
白絹の振袖をまとったひとは「春」を俟っていました。駅のホームで「僕」と「美しいひと」が会話します。その会話の内容も、人物と風景を描写される文章も、端麗な折箱に行儀良く並べられた上等な和菓子のよ…続きを読む
美しいと言う言葉に尽きる。洗練された筆致により描き——いや、削り出した描写の数々。そのどれもが艶やかで、粋。冬の持つ寒さや厳しさだけではなく、美しさや細やかさが表現されており、その一つ一つが…続きを読む
雪降る寒い朝。吹きっさらしの無人駅に佇む美しい女性。通学のために駅に通う僕は、毎朝のようにその女性を見かける。彼女は電車には乗らない。聞けば「春を俟っている」という。白い着物。黒い髪。寒椿の…続きを読む
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