ネットの海に転がる「人を恐怖させる文章」を漁るのが趣味なのですが、こちらの作品がまさに探していたものでした。なんでもない日常に、ぞくりと背後から刺してくる氷の刃が潜んでいる感覚。怪異も怖ければ人も怖い。実話「風」といったテイストもリアルでお見事な、祟られる心配なく安心して誰かにお勧めできる怖い話です!
実話を蒐集する勇気がないので、実話「風」怪談を書いていらっしゃるのだとか。でも、かなりリアルな実話風怪談です。文章が巧みで、物語にリアリティーがあるからだと思います。まるで、目の前で誰かが語っているような、そんな印象のある怪談短編集です。ひとつひとつのお話が短いので、手軽に読めるのも魅力のひとつです。一話目から順番に読むのもいいでしょうし、気になるタイトルから読むのもいいと思います。皆さんも、ぜひ読んでみてください。