第8話、大迷宮に挑戦‼
大迷宮の拡張が終わったみたいです。
みんな、大迷宮に行っちゃったんで、残っているのは私と雄太郎君とマーリンさん。それと少数の留守番部隊です。
「地下100階だと、どんなモンスターが出るんですか?」
マーリンさんに聞いてみました。
「おお、そうか。
お嬢は、まだ大迷宮に潜ったことがないんじゃな。
よし、何人か戻ったら行ってみましょうか。
なに、10階ごとにあるフロアボスだけじゃよ。
もし、愛のムチが利くようなら、従魔にすれば良いじゃろう。
お嬢は先頭には加わらなくてもよいから、危険などありゃせんよ」
「えっ、それは楽しみです。
最初のころに、ゾンビの皆さんと町の近くのダンジョンに入ったことがありますけど、3階までしか行ったことがないものですから」
少ししたら、
「100階の下はどうじゃった?」
「110階までしか行けなかったのだが、強いな」
「スピードも段違いですね。私でもギリギリなくらい」
「何より、硬さが違いますね。魔法も結構無効化されますし」
「お前らレベルでも苦戦するほどか。これは楽しみじゃな」
大迷宮の入り口をくぐると、そこは移動用魔方陣ホールでした。
「こ、こんなの初めてです」
「10階ごとにこのボタンがあってな。
過去に行った最下層のホールが表示されるのじゃよ。
今回は十兵衛たちが一緒じゃから110階が表示されとるが、初めての者には何も作用せんのじゃよ」
魔方陣に乗ってボタンを押すと、床がガクンと下がっていきます。
-10階、レディース用品の間です-
「えっ、レディース用品?」
「ああ、このアナウンスは毎回変わるのじゃが、フロアボスを倒した時の宝箱の中身を教えてくれるのじゃよ」
「じゃあ、今回は…」
「まあ、ちょうどよいタイミングじゃな」
「ええ、レディースはあまり出ないんですよ。メンズばっかりで…」
10階フロアのボスは大ザルでした。
マーリンさんが愛のムチを使えというので、使ったら3発でおとなしくなりました。
従魔になった大ザルの差し出した宝箱の中には、防御力をあげる幸せのパンティーが入っていました。
私はSサイズをもらい、アスラの朱里さんがLサイズ。
もう一枚のMサイズはルナさんにおげましょう。
続いて、エレベーター…じゃなくて、 移動用魔方陣に乗って20階に向かいます。
-20階、雑貨用品の間です-
「雑貨ですか、花瓶とか出るんでしょうか?」
「鍋敷きかもしれんな」
20階フロアのボスはペガサスでした。
ここでも愛のムチを使えというので、使ったら5発でおとなしくなりました。
ペガサスの差し出した宝箱の中には、ゼロ次元ポケットという携帯灰皿みたいな小さなアイテムが入っていました。
「こりゃあ、大当たりじゃわい」
「なんですかコレ」
「うん、一次元というのは直線だと思ってくれ。長さだけの世界じゃ」
「はい」
「二次元は、ここに幅が加わる。つまり紙みたいな世界じゃ」
「はい」
「三次元はこの世界じゃ。
平面に高さが加わってるじゃろ。この立体的な世界が三次元じゃ」
「じゃあ、ゼロ次元は点ですか?」
「そうじゃ。じゃから、その小さなスペースに無限の点を入れることができるのじゃ。
鑑定で見たところ、その中では時間が止まってしまう。
じゃから生き物を入れると死ぬ」
「死んじゃうんですか…」
「じゃが、わし等はすでに死んでおる」
「ということは…」
「数十万の部隊を、その中に隠しておけるということじゃ」
「悪魔城の中で使ったら…」
「いきなり、悪魔王の前に10万の軍勢じゃ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます