第5話、魔人アスラ誕生
私は、よく雄太郎君と散歩に行きます。
雄太郎君は、進化できませんでした。
ある夜のこと、歌いながら散歩してたんです。
愛のムチ~♪ ペシッペシッ
愛のムチ~♪ ペシッペシッ
そしたら、なぜか後ろからゾロゾロとバンパイアさんたちが付いてくるんです。
「どうしたの?」
「下僕にしてください」 「「「お願いします!」」」
って、頼まれちゃって、バンパイアさん約200名が配下になっちゃいました。
どうやらバンパイア族の本拠地を通っちゃったみたいです。
愛のムチは、言葉にしなくても、心の中で唱えるだけで放射状に30mくらい広がるみたいなんです。
バンパイアさんも太陽の光が苦手なので、大迷宮で働いてもらいます。
バンパイアにも上級職があり、バンパイア・ロードというらしいですが、実はその上に真祖という太陽に負けないバンパイアもいるんですって。
真祖っていうのは、生まれながらのバンパイアみたいで、バンパイア同士の性行為で妊娠すればいいらしいんですけど、お嬢にはまだ早いって言われちゃって詳しくは教えてもらえませんでした。
うちも、人が増えすぎちゃって、何人いるのかわかりません。
デス・リザードマンに進化したのは30人ですが、スケルトンの上級職が30人くらいで、スケルトンが200人くらい。
バンパイア・ロードが20人で、バンパイアが183人。
ゾンビ多数です。
毎日、デス・リザードマンのみんなが、下級職の訓練をしてます。
私が進化を使わなくても、スケルトン上級職になる人も増えてきました。
今日も、ゾンビからスケルトンへの進化を50人やって、バンパイア・ロードへの進化を10人やりました。
時々、デス・リザードマン同士の訓練を見るんですが、すごいんです。
ハメハメハとかいう光の玉を飛ばすと、山が吹き飛んじゃうんです。
ドンドンパは指の先から出る光線で、岩に穴をあけちゃうし、
しかも、食事中に飛んでるハエを箸で捕まえて、そのままパクッて食べちゃうし…まあ、トカゲですからね。
「そろそろ、魔王あたりをぶっ飛ばしにいこうぜ」
「まあ待て。万全を期すため、当面の目標をデス・リザードマン100人と考えている。
それに、
「そんな事になったら、戦えなくなっちまうぜ」
「交換条件として、対悪魔族はうち単独でやらせてもらおうと思っている」
「まあ、そんなら仕方ねえか…」
「自分は、勇者との戦いを望みます。
模擬戦でいいので」
「ま、待ってください。
今代の勇者は、私の親友なんです…」
「お嬢の友達なんですか。じゃ、諦めるしかないですね」
「あ、ありがとうございます」
「よし、目標はデス・リザードマン100人だな、明日からドラゴン狩りだぞ」
「「「おう!」」」
「ちっ、今日はゴールデン・ドラゴンとブルー・ドラゴンしか獲れなかったぜ」
「まあ、毎日ブラック・ドラゴンを狩ってたら絶滅しちゃいますからね」
ゴールデン・ドラゴンもブルー・ドラゴンもとっても美味しいです。
ゴールデンはパイナップルの風味があって、ブルーはミント風味です。
「あれ?なんか進化できそうな感じがします。
お嬢、ちょっと診てくださいよ」
食事の後で、バンパイア・ロードの
「わかりました」
今の私は、進化可能か確認できるんです。
『進化選別!』
「あっ、朱里さんはアスラに進化できますね。
えっと、弱点の銀と太陽光を克服できますよ。
進化しちゃいますか?」
「た、太陽の下を歩けるんですね!
是非、お願いします。」
こうして、バンパイア・ロードの30名は、魔人アスラへと進化しました。
そして、なんと雄太郎君にも進化の選択肢が出ました。
デス・ゴールデンレトリッパー・ブレイブです。
「ワオーン」
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