第4話

教室に入るとなぜか皆に見られてる。俺入学してからこんなにも注目浴びるの初めてだわ。これは人生に3回あると言われるモテ期か〜?などと勘違いしてました。そりゃそうだわ、だって隣にニコニコ顔の三森小春がいんだもん。さすがクラスいや学校一の美少女様だ。


俺は小春と一緒に教室に入ってきたから注目されてただけの道化。けっ!整形したろか!などとおもいながら自分の席につく。するとすぐに一人の男子が近づいてきて


「凄いね!雫、いつの間に学園のアイドル様と仲良くなったの〜?」


と話しかけてきたのが俺の幼馴染、名前は栗橋 美琴。見た目マジで女の子。本当にそこらへんにいる女子よりも女子だがれっきとした男だ。ただし男の娘だな、そのほうがしっくりくる。マジで惚れ惚れする可愛さだ。何しろ俺の初恋だからな


「ああ〜昨日さ〜放課後呼び出しがあるっていったじゃんか。その相手小春だったんだよ。それで仲良く?なったんかな」


すると目を見開いてから


「えっ!三森さんから告白されたの?すごいすごい!それで今日一緒に登校してるってことは付き合ったの?」


美琴は少女漫画や恋愛小説が大好きな男の娘だからめちゃくちゃ前のめりで聞いてくる。


「いや、付き合ってないよ?そもそもあれが告白だったのかイマイチだな。ま、告白は告白だったが」


容量を得ない俺の答えに美琴はその可愛い顔を傾げて「どういうこと?」と聞いてきた。おい可愛いな、くそ!


俺はそこで昨日の小春との事を小春には悪いが美琴に話すことにした。すまん!小春。でもこんなの俺一人じゃキャパオーバーなんだ。


俺の話を聞いてちらっと小春の方を見たあと何かを考え、答えを見つけた美琴は


「………相変わらず雫の妄想力には脱帽だよ。」


と全く信じてもらえなかった。それにちょっとまて!相変わらずってなんだ!そんな俺妄想せんぞ。


その後昼休みにじっくりたっぷりと真実を話しなんとか美琴に信じ込ませることに成功した。昼休み小春がチラチラとこちらを見てきたが学校ではなるべく距離を置こうと俺が昨日言ったのを守ってるみたいでそのへんは奴隷っぽかった。ま、めっちゃ寂しそうにしてるが。


そんな一日を終え、帰る準備をしたあと朝約束した学校から少し離れた公園に向かった。するとすでに小春がおり俺が「わり!待たせた」と言うと


「御主人様を待つのは奴隷として当然です!」


そんな笑顔で言うなや。いたたまれないわ!


「そ、そうか。じゃあ行くか」


俺がそう言うと嬉しそうに「はい!」と言ってついてくる。今尻尾見えたぞ。なんだか俺たちは普通に戻れないのかもしれないわ。


その後他愛もない話をしながら家に向かった。そういえばと俺は気になってる事を聞くことにする。


「あ、そういえばさ、朝なんで俺の家わかったんだ?」


すると笑顔で


「はい!毎日雫くんをストーキングして知りました!」


はぁ?ストーキング?なんか当たり前だよみたいな顔して言うから一瞬、そうか。っておもったけどこれ異常なことよね?そもそもなんで俺を好きになったのか聞いてなかったな


「な、なるぼどねー。えっと〜小春はなんで俺を好きになったのかもこの際聞いていいかな?」


するともじもじと身体をくねらせる小春。やめてそんなことするとあなたのいやらしいボディが自己主張をはじめるわ!俺のも自己主張をはじめるわ!


「ひ、一目惚れです!一年の教室で初めて見たときから好きでした。その後こっそり後をついていったり体操服をお借りして匂いを嗅いだりしていくうちにどんどん雫くんにハマってしまって。我慢できずに告白したんです!」


おいおい。また変なの出てきたぞーまさかこの子うちの姉妹に似た何かを感じるぞ!まじかよ。しかも一目惚れって。……俺、やっぱり隠れイケメンかもな


「そうだったんだ。ありがと。素直に嬉しいわ」


小春も顔を赤くしながらもニコニコしていたが家の近くになるに連れどんどん目が血走りなんだか口元も思いの外テカテカしてるのは見なかったことにしよう。そして家につきポッケから鍵を取り出して開けようとしたら急に勢いよく玄関が開きそこには小春と同じように目を血走らせて息遣いもおかしい変態もとい妹と姉。二人は仲良く


「「いらっしゃいませ〜」」と不気味な程に声を揃わせて小春を向かい入れた。


なんだこれ。妖怪大戦争でも始まるん?数時間後これ、フラグやったんね!トホホ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る