第12話

あの後なんとなくぎこちない会話をしたあと


「……じゃあ、またね。雫くん」とこいつ狙ってやってるんじゃないという男の子を惨殺する上目遣いに恥ずかしいのか腕をクロスしたことによる胸強調さらに甘ったるい声の三段階進化により


俺は「……お、おう。またな」と目が心が泳ぎまくりまくって溺れた。


(やばいやばいやばい!落ち着けおちつけよ雫よ!確かに小春はかわいい。小柄で巨乳とどストライクだ。だがなにぶん考え方がうちの姉妹に似てるのがマズイ。これはいくら可愛くても俺の中で無いことだ。落ち着け。ふぅ〜〜よし。小春は奴隷。よし!俺は御主人様、何を動揺することがあるか。よしよし凪ね〜凪。)


危うく俺の中のラブコメ脳が小春とイチャイチャしたい!彼女にしてチュッチュッしたいと願いそうになった。危なかった。よし、切り替え完了。


俺は先程遭った青春ラブストーリー空間をデリートして家へと帰った。玄関を開けた。すぐに閉めた。これはこれはまさかこの世界はウォーキングデッドだったなんて。しかもうちが発生源の可能性まででてきやがった。くそっ!



…………てのは冗談で。いや、あながち冗談でもないのかもしれない。だってそこには


「「おにぃ(雫)わだじがヒロインだがら〜〜」」


と我が家の天使だった乃愛と我が家の汚物柚希が泣きすぎて化粧も何もすべてが溶けてウォーキングのバイオハザードと化していたから。


さっきまで見てたキラキラ光った涙を見せてくれた小春とは雲泥の差だな。こいつらもできるはずなのに。てかなんだ私がヒロインって。………こいつら


「……おい、お前はさっきのやり取り見てたのか?」


なんとなくそんな予感がしてこのアホどもに聞いた。すると


「「うんう、なんとなくそんな予感がしたの!!」」


まさかの勘。てかヤベっ!二人の顔がさっきの泣き顔から一変こいつらの整った顔立ちがほりを深く目なんてまっくろくろすけも嫉妬するページレベルの黒で俺を見てる。これはやばい。


「「ねぇ?おにぃ(雫)さっきのやり取りってなに?もしかして勘、当たってた?ねぇ?私達にゆっくりじっくり聞かせてね?ニコッ!」」


最後のニコっ!はそれはとてもとても綺麗でそれでいて可愛らしく誰もを魅了する魔法でしたとさ。………俺以外ならな。グッバイ!


深瀬雫を笑顔で引きずりながら家へと連れて行く乃愛と柚希の二人をたまたま見ていたご近所のおじさんは一瞬何十年ぶりの恋に目覚めかけたがふと目があった瞬間、あっ!違うこれは恋ではなく恐怖だったのだと遅れてくる体の震えに普段から使い物にならない足腰がさらにいわした。



雫が死神に拷問という名の話し合いを始める頃、その原因の一端でもある小春は


「ん〜〜〜んんん〜〜〜」とベットにダイブしこれでもかと幸せを噛み締めていた。


(あ〜かっこよかったな〜〜好き好き!ああ〜雫くんにも私を好きになってほしいよ〜〜!よし!明日からどんどんアプローチをかけていくぞーー!オーー!)と


一人の恋する乙女の決心により一人の哀れなイケメン笑はさらにドタバタになるんだとさ。


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