終章

年の瀬

 麗華のことは学校中に広まった。


 それまで、莉桜を責めていたクラスメートはこぞって麗華の悪口を言っていた。


 莉桜はそんなクラスメートたちのことはあまり、気にしていなかった。



 今回の事件のおかげで、翔太の家に2週間もお泊りできたのである。


 大晦日も帰ってこなくて良いとパパから連絡をもらった莉桜は翔太のアパートで家事をしていることが幸せだった。




 「ねえ、翔太」


 「ん?なんだ?」


 「やっぱり翔太は神様だよ」


 「え?」


 「なんの力も使わずに麗華を清めてしまった」


 「そうなのかな?」


 「うん」


 「麗華ちゃんが、多分もうこんなことは嫌だって思っていたからなんじゃないかな」


 「そうかな」


 「ああ」


 こたつに2人で並んで足をいれながら、みかんを食べていた。


 暖かい。


 「ねえ」


 「なんだ」


 「ずっと一緒にいてくれる?」


 「ばかだな、当たり前のことを聞くなよ」


 「ん。愛しています」


 「ああ、愛しているよ」


 


 外は東京としては久しぶりの雪が降っていた。

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妖猫~妖怪ハンター編~ 神名 信 @Sinkamina

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