12月10日

 俺と莉桜にとっては順調に時が流れていた。


 12月になった。


 厳密に言えば、莉桜と初めて会ったのが12月だ。


 俺は、それほど意識していなかったが、莉桜は12月が来るのを心待ちにしていたようだ。


 12月10日


 2人が出会った日。(正確には2人とは言えないかもしれないが)


 ケーキを買ってきて、お互いにプレゼントを買って、チキンを食べて盛大にお祝いした。


 その日は、莉桜は家に帰らず、初めて俺のアパートに泊まった。


 狭いベッドで体を寄せあう。


 お互いに何回もキスをして、体を抱きしめる。


 「莉桜」


 「翔太」


 何回お互いの名前を呼び合ったことだろう。


 「翔太、私こんなに幸せでいいのかな?」


 「俺こそだよ、こんなに幸せでいいのかな」


 「翔太って本当に優しいのね、私の体奪いたいって思っているのでしょ?でも、我慢している」


 「莉桜こそ、神様なんだから、俺のことは全部お見通しだよね」


 「私が15歳だから、我慢しているの?私の両親と会ってくれたんだから、法律的には何も問題ないのよ?」


 「法律とかじゃないんだ、俺、莉桜にめちゃくちゃいやらしいことしたいとか思うよ、でもさ、それよりも、もっと大切にしたくて、大事にしたいんだ」


 「そうなんだ、そんなこと言われたら、きゅんきゅんしちゃうよ」


 「はは、神様でもきゅんきゅんするのか」


 「しますー」


 「はいはい」そう言って莉桜の頭をなでてあげた。


 莉桜が俺に抱き着いてくる。


 この瞬間が永遠に続けばいい、そう思えるような12月10日だった。

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