ファーストキス

 「莉桜」


 「なに?」


 「めっちゃ緊張した」


 「そうか、でも、多分こういうことが大切なことなんでしょ?」


 「ああ、ありがとうな、親に紹介してくれて」


 「何も今日紹介したのではなくて、生まれた時から翔太のことは、両親には話していたつもりだ、翔太のぬくもりや優しさとかもな」


 「そんなこと、照れるよ」


 「照れなくていいよ、翔太」要町の部屋で2人きりで寄り添いあっていた。


 日曜日の午後2時。まだ外は明るい。


 「莉桜?」


 「なんだ?」


 「俺のこと好きか?」


 「好き」


 「本当に?」


 「好き、だよ、愛をもらえたんだ、実は翔太は神様じゃないかと思っている」


 「神様かあ、そんな大それたものじゃないよ、人として生きるのもようやくって感じかな」


 「ううん、私、生まれてからずっと翔太のことだけ考えていたんだよ?だから、なんて言うか、軽い好きとかではないんだ、私がここにいること、ここにいていいのは翔太のためになるからなのかなって、こんな風に重いのは嫌?」


 「莉桜みたいな美少女にそれを言われて嫌がるやつは、存在しないと思うぞ」


 「うん、ねえ、翔太」


 「ん?」


 「キスして」


 「ああ、」莉桜の形のいいくちびるにくちびるを合わせる。


 恥ずかしいが、俺にとっても莉桜にとってもファーストキスだった。



 そのまま、莉桜を抱きしめる。


 莉桜の体は思ったよりも細くて柔らかい。


 このまま、莉桜の体を全て自分の物にしたい欲望に駆られたが、キスとハグ以上のことはしなかった。


 莉桜にとって、俺は神様だから、ゆっくりと付き合っていこうと思った。

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