選び取る決断が人とつながり、世界と運命の謎を解いていく

 平原のど真ん中(?)に倒れているところを助けられた主人公ランテが、記憶喪失というところから話が始まります。
 なので、本当に何も分からない。まるで目隠しをされたまま物語を歩かされるという状態ではあるのですが、その主人公の不安と読者の「どんな物語なんだろう?」という期待が絶妙に重なる訳ですよ。

 主人公のランテは、記憶喪失という不安な状態にもかかわらず、素直で真っ直ぐな心の持ち主。何も分からない中、それでも直感で選び取る決断がいろいろな人と深い繋がりをつくり、そして世界と自身の運命の謎を解いていきます。

 信頼を置くに足る人たちとの出会を通して、キナ臭い政治的な動きなどが徐々に明らかになっていく中、「何も分からない」という不安な気持ちは、いつの間にかミステリーを解くかのようなわくわく感や手応えに変わっていきます。

 出てくるキャラも格好いいんですわ!(惚れる)

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