これは、戦国乱世を駆け抜けた英傑・織田信長――の子供達の物語である。
時は戦国――領土拡大を狙い刀を交える時代。
偉大過ぎる父の影で苦悩する織田信忠。複雑な境遇と過去を背負いながら、血で血を洗う戦国乱世を愛すべき(?)仲間たちとともに駆け抜けられるのか――!
長可「若が頑張れば行けますよ☆」
信忠「吹き飛ばすぞ、お前」
別れ、友情、父の背、そして迎える運命の日――。
※pixivに掲載している作品の加筆・修正版になります。
~登場人物~
森長可(もりながよし):幼名、及び字は「勝蔵」。「攻めの三左」こと森可成を父に持つ。父の死後、若干13歳にして家督を継ぎ、美濃国金山城の城主となった。幼い頃より信忠とともに遊びまわった仲。自身も槍の名手であるが、時折暴走しては苦言を呈されることもしばしば。要らんこと言いだが、本人に自覚がないので余計性質が悪い。
織田信忠(おだのぶただ):幼名は「奇妙丸」。母は側室の生駒氏。織田家嫡男として育てられる。偉大な父の影で苦悩する日々が続いているものの、武将としての力量は充分兼ね備えている。
池田元助(いけだもとすけ):字は「庄九郎」。信長乳兄弟・池田恒興の嫡男。信忠、長可らの幼馴染。折り目正しい真面目な性格の持ち主で義理堅く、周囲の信頼も厚い。何よりも信忠を第一に考え、深い友情はあるものの、奔放な長可や於泉、それを容認する信忠の板挟みとなって気苦労が耐えない。
於泉(おせん):池田家の姫。庄九郎の妹に当たる。長可達の幼馴染。跳ねっ返りで何にでも首を突っ込みたがる性格だが、誰にでも分け隔てなく接する天真爛漫さは信忠からも可愛がられる。周囲とのいさかいが耐えない長可も、彼女には逆らえない。「戦国の世の習い」に飲み込まれ、波乱万丈な人生を歩むことになる。