第1話 夫婦の帰宅
彼らはその時、帰宅していた。
カレンダーの月は7を指すこの時期は世間からしたら、まだ梅雨時である。
かくいう、
「翔さんは今日と明日バイトなかったよね」
「ないよ。メイさんが今日一緒に星見ようって言ってたから、店長に頼んでシフトは入れないで貰ってたんだ」
「そうなの?ありがとう!じゃあ、夜行く時おやつでも持ってくね」
「夜に糖分取ると太るよ?」
「それ、翔さんが甘い物苦手なだけじゃん?」
「へへ、そうだね」
「じゃあさ、このまま買い物行っちゃお?ついでに今日の夕飯の買い出しもできるし」
「それ、僕に荷物持って貰いたいだけでしょ?」
「そんなことないってぇ」
このやり取りを教室を出る時から話し始める二人だが、彼らの目に映るのはお互いのみ。
何の躊躇いもなく相合い傘で帰る二人を、その終始を見聞きした生徒の誰もがこう口にしていた。
「スゲ……」と。
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