第6話 二人にそのつもりはないが
↓またまた前話の続きである。
「どういうことよ、
「メイさんこそ、どうしてなの?僕と委員会で趣味の話をするんじゃなかったの?」
「だって、私との天体観測の時間が崩れるのが嫌だったのでしょう?趣味の話はそこでした方がいいじゃない」
「でも、雨が降れば天体観測は中止だし、いつも一緒にできるとも限らないだろう?でも、委員会なら絶対来なきゃいけないから、確立した談笑の場を設けることができる。そう思わない?」
「た、たしかに……」
「それにさ、僕は思うんだよ。メイさんと一緒に何かするのってあまりないからさ。ほら、いつも君は家事をしてくれているけれど、僕はバイトがあって一緒にする機会はあまりないだろう?だから、委員会で君と一緒に仕事をするのも楽しそうだなって思えてしまうんだ」
「っ!?」
「それで趣味の話ができるなら、そこは最高じゃないかなって思う。へへ、少し望み過ぎな気もするけど」
「い、いいえ、そんなことないっ!!私だって、登山の話をしたいし、一緒に仕事したいもの!私の考えが浅はかだったのね。翔さんを責めようとしたこと、謝らせて」
「いいよ。そんなこと。こうやって衝突しながら、進んでいくのも、メイさんとなら楽しいから」
彼はそうしてようやく辿り着いた答えを、学園長へ向けて口にした。
「僕と彼女は風紀委員会に入ろうと思います」
「そ、そうか……。それは良かったけど……」
風紀委員会をこいつらに任せてもいいのかと、学園長は焦燥感に駆られた。
が、今更引っ込みもつかず。
「じゃ、じゃあ、風紀委員会は任せたよ……二人とも」
「委員会室でお話するのが楽しみね、翔さん」
「うん。何の話をしよっか?」
こいつらサボる気満々だなと、誰もが思った。
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