武蔵野の地に、明滅する蛍の光が舞う光景が目に浮かぶ

ちょうど梅雨時に目にしましたこちらの作品は、このところずっしりとしてたり起伏の激しい物語ばかり読んでいた私には、久しぶりに出会ったすっと心に染み入るお話です。

幼い頃に見た蛍の光の記憶から綴られる名もなき女性の一生は、彼女なりに悲喜こもごもだったのでしょう。変化に変化を重ねて積み重なっていく思いが、でも子や孫に受け継がれていく様は、そこに変わらないものもあることを匂わせます。

蛍の光に包まれながら迎えるラストまで読み終えて、思いがけず暖かい気持ちになれたこと、このお話に出会えたことに感謝したい。

色々と慌ただしい昨今、こういうお話こそ多くの人に読んで欲しいと思い、久々にレビューを書きました。短いお話ですので、ちょっとした合間にも是非お目通し下さい。

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