存在しうるもっとも罰当たりな金閣寺メタファー

すごい、これぞ一人称小説!って感じの一人称小説だった。語り手が好き勝手しゃべり倒している。しかも、『衝撃の大惨事はあっという間に学内中の知るところとなって、でも具体的に何をどうしちゃったのかは絶対に言わない。』とか、書けば絶対面白いのにそれを敢えて言わない。「ヒンチクリフ・アリス」という名前もカレン・ロバート的な伏線で、つまり姓・名の順から日本語ネイティブを匂わせ、その象徴を金閣寺に見立てるのだから恐れ入るしかない。
「酔えてない。」という酔っ払い特有の都合のいいときだけ素面に戻る生態も、一人称視点に見事に落とし込んでいる。なるほど、この時点で高度に「擬態」というテーマを反映させているのだ。「私は金閣を焼かねばならぬ。」やかましいわwwww。
なんか過去の回想シーンとかいい話っぽかったのに、伏線と言うよりも終盤に訪れる頭のおかしい展開を見越したミスリードにさえ思えてしまうのは、この作者もまた狂人だからに違いない。

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