随分と久しぶりに大澤めぐみ氏の作品を読んだ。「中年おじさんの作り方」で興味を持ち、「部屋にオカマの霊がいます」に喝采を贈って以来だろうか。知らぬ間に短編の層が積み上げられ、「月日の経つのが何と早い事よ」と嘯く自分がいます。その中からランダムに選んだのが本作品。やっぱり面白いわ。通勤電車の中でも笑える。爆笑とかニヒルな苦笑とか、そんなんじゃない。微笑ましいとも違うくて、何か元気を貰った時の受領書みたいな笑い。短編にはMax2つが信条ですが、星3つ付けました。
主人公の苦悩と失望を描いた序盤の克明な心情描写からのラストの力士登場シーンのスピード感が読んでいてとても小気味がよかったです。
序盤が練りこまれていたので思わず引き込まれたのですが、そこからうっちゃりを食らったみたいな気分でした。さすが。
絶望した多感な少女の絶望を救うのは20人の力士だった…?失恋も失敗も亞良川の豊かな水流と、そこに住まう力士たちが押し流してくれる…。そして、あなたはこんなにも美しい世界を見てこういいたくなるだろう「どすこい!どすこい!」と
おそらくあのニュースから発想を得たのだと思います。力士たちの功績は讃えられて良い物ですし人物の掘り下げも良かったと思いました。
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