どすこい! どすこい!

作者 大澤めぐみ

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★★★ Excellent!!!

随分と久しぶりに大澤めぐみ氏の作品を読んだ。「中年おじさんの作り方」で興味を持ち、「部屋にオカマの霊がいます」に喝采を贈って以来だろうか。
知らぬ間に短編の層が積み上げられ、「月日の経つのが何と早い事よ」と嘯く自分がいます。

その中からランダムに選んだのが本作品。
やっぱり面白いわ。
通勤電車の中でも笑える。爆笑とかニヒルな苦笑とか、そんなんじゃない。微笑ましいとも違うくて、何か元気を貰った時の受領書みたいな笑い。

短編にはMax2つが信条ですが、星3つ付けました。

★★★ Excellent!!!

人生は何があるかわからない。
それは順風満帆から思わず躓いて転落をしていくというようなこともあれば、
どん底にいて思いもよらない形で手を差し伸べられることもある。

自殺しようと川に飛び込んだら力士20人に助けられるなんて思わないじゃないか。

嘘のような本当の話が現実にあり、この小説はそんな嘘のような本当の話を、さらに純化したフィクションだ。

自分が既定路線だと信じ込んでいた不幸、自分の運命だと思っていた不幸がふいに打ち破られる驚きと喜び。

力士たちはまるで生命力の象徴だ。
どすこいはハレルヤだ。

叫べ! 声を張り上げ! 拳を振り上げ!
「どすこーい! どすこーい!」

世界はそのとき限りなく美しい。