「滅びた惑星」
迷子の宇宙人は、文明が滅びたはずの惑星から微弱な電波をキャッチした。
着陸すると、廃墟の路上にスマートフォンがぽつんと置かれていた。画面に輝く“ロック解除”の文字列。宇宙人はおそるおそる手を伸ばしたが、指は液晶をすり抜けて、アスファルトにタッチした。
スマートフォンがいった。
「わたしはスマホの幽霊です」
乾いた地表に抑揚のない音声がこだまする。
「わたしに触れてください」
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