「さよなら屋」

 迷子の宇宙人は、銀河を旅する商人と出会った。

「私はさよなら屋です」

 と、男はいった。

「あなたが誰かとお別れするたび、代金を支払います。親しい人と縁を切るほど高報酬ですよ」

 宇宙人はうつむいて答えた。

「でも、僕はもう長い間ひとりぼっちなんです」

「では私とさよならしましょう」

 そう言い残すと男は去った。さっき出会ったばかりなので、報酬は一円だった。だけどその夜、宇宙人はさみしくなって朝まで泣いた。まったく割にあわなかった。

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