「めあ」
めあ、やばくない?
ふつうの雨は上から降るけど、めあは下から降ってくるから、油断してたら防げない。昔の人は、突然この世に現れためあになす術もなく、めそめそしながら濡れ鼠になってたらしいよ。今では人も進化して、腕の筋肉が発達したから、傘をひろげた姿勢のまま180度反転して、ホッピングの要領で移動できるようになった。でも、おおめあの日はやっぱりたいへん! 梅雨には雨とめあが同時に攻めてきたりするから、足でも傘をささなきゃだしね。いちばん厄介なのは、夜のめあ。闇にまぎれて足元から襲いかかるめあは、ナイトめあって呼ばれて忌み嫌われてる。
でもね、ほんとはね。なんだかんだ嫌いじゃないんだ、めあのこと。ふつうの虹にはどんなに背伸びしたって届かないけど、めああがりの虹は、近いから。
ほら、交差点で信号待ちをしてるときとかに、曇った地面がさあっと晴れたら、逆立ちのまま足元の空をのぞきこんでみるといいよ。そのとき、あなたは虹に乗れるから。逆さまのアーチのてっぺんが、すぐそばにあるかもしれないから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます