「穴井どうなつ堂」
ドーナツの穴の中にドーナツ屋があるのをご存知だろうか?
その名も穴井どうなつ堂。
店主の穴井さん(45)は岡山県で製菓を学ぶ学生だったが、ある日実習で作ったドーナツの穴に吸い込まれ、それ以来ずっと穴の中で生活している。穴には、同じように吸い込まれた人たちが集まって暮らす町があった。
穴井さんの店には今日も行列が絶えない。数十万個に一個の確率で現れるという《あたり》を求めて人びとは並ぶ。食べようとすると吸い込まれ、外の世界に出てゆけるのだ。
たいていは何も起こらずがっかりすることになるけれど、大丈夫。穴井さんの揚げたドーナツはどれもほっぺたが落ちる美味しさだから、ほら、すぐにみんなニコニコ笑顔。
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