「石けん星」

 迷子の宇宙人は、ふいにシャボン玉で遊びたくなった。

 だが宇宙船の洗剤は空っぽだった。

 涙を飲んで諦めようとしたとき、コンピュータが未知の惑星を発見した。その星は全てが石けんでできていた。喜びいさんで上陸し、スコップを突きたてた瞬間、星の声が聴こえた。

『体を洗いたいのですか?』

 宇宙人は答えた。

「いいえ」

『ひとりがさみしいのですか?』

「はい」

 石けん星から作ったシャボンは美しかった。三日三晩壊れずに船内に浮いていた。

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