第12話 浮世の灰色(性的描写あり)

 数字が横に並んでいる。視線を右端に動かすと、残高の欄になり、いっきに桁が下がっていた。

それは通帳―。

わたしは通帳を広げたまま、天井に上げ電灯に透かしてよく内容を確認した。

引き落とされた額分、いやそれ以上に心のキャパシティも減らされた気がした。


 「お揃いのキーホルダーにしようか。」

初めてのデートの日、二人で食事をした後、とりあえず見ていたショッピングモールの雑貨屋さんで彼が言った。

胸がドキッとしてザワッとした。

キーホルダーは、人口皮の上に金属の猫のワンポイントがついたシンプルでかわいいデザインで少し大人っぽく高級感があった。

彼はキーホルダーを手に取ると私のバッグの前にかざしてみた。

一瞬彼は苦い顔をした。

 「このバッグ、よくないね。」


 (あっ。)わたしは自分のバッグを見た。洋服屋さんで買った安手の布バッグで、ほつれた所を手縫いで縫って補強していた。

身体が一瞬寒くなった。

そして彼にはこのバッグは不釣り合いなんだと理解した。


 彼―涼司りょうじさんと出会ったのは2年前。

単発派遣の仕事をしている時に一緒に仕事をした。彼も派遣だった。

その時、昼休みに涼司りょうじさんと席が一緒になり少し話した。なんでも彼は求職中らしく、面接も受け結果待ちらしい。就職が決まったら派遣は辞めるので連絡先を交換しようと言われ交換した。

それから、たまに連絡をしたが、挨拶くらいで、わたしも統合失調症の薬を断薬してしまっていた時期で体調が悪くあまり返信をしなかった。

 

 その後、統合失調症の治療をきちんとするようになって障害者雇用の仕事も決まって働いて落ち着いてきたので久々に連絡をとってみた。話は思いの外はずみ、そして今度食事でもしようということになった。

友達として遊ぶのか恋愛を意識するのか、明確な線引きを事前にお互いしてなかったが、久々に涼司りょうじさんに出会って、食事して…。

(これはデートだよね?)わたしはもう既にその気になっていた。彼の仕草もどことなく柔らかく恋人のようだった。


 こんないいムードを壊したくなくて、涼司りょうじさんの好まないこのバッグを買い替えなきゃと焦った。

 「服ももっと大人っぽいのがいい。」

 彼は続けてわたしの全身を眺めて言った。

わたしは安物のフラワープリントのニットに短めのグレイのスカートだった。(確かにもっと若い子向けの服かも…。)

 「ショッピングモールに来てるので今、見てみようかしら。」

 わたしは言った。

 「いや、ここは安物ばかりだし、アウトレットでブランド物を安く買おうよ。」

 涼司りょうじさんはそう言った。


  後日、待ち合わせをした。

公園の駐車場で涼司りょうじさんと待ち合わせ、彼の車に乗り換えた。わざわざ数十キロ先にあるアウトレットモールまで連れて行ってくれると言った。その好意が嬉しいのに胸がザワザワした。

(アウトレットって言ったってバッグ一つ1万円近くするよね?)

わたしが着ている服はせいぜい2000円程度。安物を好んで買っていた。お洋服やバッグにわざわざそんなお金かけるなんて。数千円もすればそれなりにかわいいものは買える。どうしたって高いものを買うのに躊躇してしまうのに、アウトレットモールで嬉しそうな笑顔で彼のご機嫌をとりながら歩くなんて…。卑屈な思いが過って車窓の高速道路を鬱々と眺めていた。

アウトレットモールの近くで、派手な色味の建物が見えた。夜になれば華やかなネオンが光るだろう、その建物は“ラブホテル”だった。

(このまま彼に抱きついてホテルに行きたいとねだろうか。)

不安が募ってそんな考えが過る。が制止できず車は通り過ぎて言った。


 駐車場で車から降りて彼と共にアウトレットの門をくぐった。

入り口のトイレに寄った時、洗面台の鏡の前でリップを丁寧に塗り直した。トイレから出ると彼は喫煙所で煙草を吸っていた。

 「お待たせしました。」

 そういうと、一瞬ぎこちなくそして徐々に自然に二人は腕を組んだ。

恋人同士のように似つかわしく見えるかしらとショーウィンドウに映る自分たちの姿を眺めてみれば奥にはマネキンにブランド物の服が浮かび上がっていた。命なきマネキンなのにわたしよりスタイリッシュで高級な服が似合う…。


 彼の好きなブランドショップに来ると中に入った。

彼はハンガーにかけられた人口皮のベージュのスカートをとって見せた。膝丈の大人っぽいデザイン。それからショーケースのV字のベージュふわっとしたそれでいてウェストにしぼりがあって女性らしいラインが綺麗に出るセーターを選んだ。

いつもどちらかというと可愛らしい服を選ぶわたしなので、いつもと違う大人っぽくフェミニンな服にときめいた。でも値札を見ると一着5000円強…。

(この値段は涼司りょうじさんへの愛、かしら。)値段にびびりすぐさま買うとは言えなかった。


 「とりあえず他の店を見てからまた来よう。」

 涼司りょうじさんはそう言って店の出口へ誘った。

歩いているとランジェリーショップにさしかかった。


 先日、二人ホテルへ行ったのだが、その時に、無理してキツめの下着を着用しているのがバレて

 「サイズが合わないんじゃない。」

 と言われ更に

 「お腹痩せた方がいいよ。」

 なんて言われてしまった。


 「入ろうか。」

 涼司りょうじさんと共にそっと入ったランジェリーショップ。

よく一人で下着屋さんに行くとたまにカップルのお客さんがいた。いいなぁとどこかドキドキ憧れていた。それが叶う様にして二人でランジェリーショップに入る…。

でも…

 「どんな下着がいいかしら?」

 わたしは聞くと彼は

薄ピンクで上品なブラとパンツセット約5000円を指して

 「これかな?」

 と言った。それから少し周りを見渡して

 「それか、これかな。」

 と今度は単品のブルーのケミカル模様のブラを指した。

その単品ブラの値段は、、ブラ一つで4000円強。

 「こんなに高いの?!」

 わたしはこらえきれず声が出てしまった。

 「声が大きい!」

 彼はぎょっと目を細めて、

 「じゃあ俺は外へ出ているから。」

 と言って行ってしまった。

わたしはそそくさとブラセット5000円のものを買い彼を追いかけた。


別のお店に行くと彼はグレーの肩が少し見えるくらいに開いたセーターを気に入った。わたしが今着ているのもグレーのセーターだったが…細かなことは言わなかった。もう一つ言えば私はV字ネックのベージュのセーターの方が好みだった。

 「このグレーなセーターにしよう。」

 彼に促されてそれを買った。

そして最初の店に戻ると、ベージュのスカートの色違いの深緑のスカートを取り出して

 「こっちがいいね。深緑が似合うなんてそうそういないよ。」

 と言って選んでもらった。

こちらもベージュの方が気に入っていたが…何も言うまい。彼に愛されなくてはという気持ちが先行した。


 その後、最初のお目当てのバッグを探した。

やっぱり1万円以上はする…。わたしはもごもごと戸惑っていると結局今日は買わないことになった。


 お昼くらいの時間になったのでイタリアンレストランに入った。

綺麗なイタリアンに恋人同士という憧れの景色。フォークでパスタを絡ませて二人息を合わせたように少し見つめて食べる…。おいしい。二人の熱した空気の間に冷たい冷房の風が通りすぎた。


 地元まで車で帰ると、お約束のコースのように車はラブホテルへと滑り込んだ。

わたしは彼と手を取り合い中へと入った。そして口づけをかわした。絡んでも絡んでも離れられないくらいにお互いの息を呑み込み合い吸い合い身体を寄せ合った。

そしてやっと離れると

 「今日買ってきた下着、そして服、試着してみてよ。」

 と言われた。

私が下着を着てみせると、涼司りょうじさんは自分が選んだんだと得意そうな笑みを浮かべた。そしてスマホをかざして私を写した。

パシャパシャ…。シャッター音が鳴った。

そして服も着ると、これまた彼は満足げにシャッターを切った。


 家に帰宅すると、スマホを取り出した。インターネットにアクセスしちょうどいいバッグを探した。ちょっとバツの悪い顔でバッグとわたしを見る彼の顔が浮かぶ…。どうしたって彼に似つかわしいバッグが欲しい。

かわいいと思ったバッグに目が止まった。ブランドの名前なんてわたしにはわからない。

値段は…2万円強…。

わたしは躊躇しビビったが…彼が満面の笑みでわたしと歩いてくれる姿を妄想した。どうしたっての涼司りょうじさんの機嫌を取りたかった。


次の週も会う約束をした。

まだ秋の始めくらいであるが、イルミネーションが綺麗なホテルのレストランがあるらしい。涼司りょうじさんの運転で夕方から少し遠出し目的地へ行った。

駐車場を出ればまばゆいイルミネーション。

宝石を散りばめたようであまりの美しさに一瞬呼吸が止まる。

「ねぇ…。」

わたしは彼に腕を絡ませた。キス、のかわりに肩に頭を寄せて甘えた。

イルミネーションの前でお互いにスマホで写真を撮った。ひとしきり見終わるとレストランへ入った。

お口に運ぶ肉料理は旨味がじわっと広がり心の奥まで暖かくなった。


レストランからの帰り、地元に差しかかり待ち合わせの公園付近に来た時に、彼は突然言った。

「月菜ちゃんって精神患ってるんじゃないの?」

わたしは少し口が半開きになった。(何がおかしかったっていうの?普通に見えるように振る舞ってきたし…、ぁ、派遣で一緒に働いている時、おかしくみえた?え?ぇ?)頭の中で考えが巡りめまいを感じた。

「そうでしょ?」

彼の二度目の問いかけを否定できずに

「うん。」

と答えた。

前方を目視して運転する涼司りょうじさんの目は少し細くしかめっつらしているように見えた。

すると突如狭い横路から車が飛び出してきた。

彼はブレーキをかけてぎゅっと目を吊り上げさせた。

「危ねーよ!」

涼司りょうじさんは怒声をあげた。


その後、私は月一で精神科通院していることを打ち明けた。彼はそれ以上何も言わず聞いていた。公園につくとサヨナラの代わりに軽く口づけを交わして別れた。


翌週の金曜日、退院後スマホを開けると涼司りょうじさんからLINEが来ていた。

「今から会いたい」


「いつもの公園で」

LINEの返事を送ると待ち合わせ場所へ向かった。

そして彼の車の助手席へ乗り換えた。

滑り込むなり彼は私の腰に手を回して身体を抱きよせ唇を貪った。そのままなりゆきでラブホテルへ向かった。ベッドの上でわたしを下にして彼と身体を絡ませ合い彼は激しく上下した。

そして一幕終わると、涼司りょうじさんはわたしの身体を四つん這いに立たせて後ろから私を抱え身体を突こうとした。その瞬間わたしは前にぐらっと動きベッドの縁に頭を軽くぶった。彼はわたしの身体を持ち直させて再び突こうとするが彼の勢いで頭をベッドの縁に当たってしまう…。

わたしは痛いとも言えずに…

「身体をちゃんと支えなきゃダメじゃん。」

涼司りょうじさんは興醒めした声で冷たく言った。わたしは顔が強ばった。その後、彼は私に愛撫をしてくれ、私も彼に愛撫したが、気持ちはどこか落ち込んでいった。帰り際、トイレの中でわたしは身体が崩れていくように水分が流れた。

ホテルから出て助手席を開ける時、買ったばかりのバッグは気品溢れる顔で輝いていたが、私はどこか冷たい底にいるような寒さを感じた。


 次の週は、しばらくはLINEでおはようとお疲れ様、おやすみなさいの挨拶くらいだった。3週間も続けて遊んだし、違和感はないはずだ。

私はぼんやりと次の約束はどうなるのかと考えていた。まだクリスマスまで3ヶ月はあるし、特別な恋人同士のイベントなんてない…。お財布もどこか寂しかった 。


  週末、涼司りょうじさんからLINEが来た。

「手頃でいいブーツを見つけたから買ってあげる。」

それはプレゼントをくれるという彼からの好意のLINEだった。

でもわたしは、(えっ?!お返し買わなきゃならない。お金またかかるの?!)

と、どこか覚めていた。


 5000円強のスカートに6000円強のセーター…。

5000円のブラセット。

2000円強くらいの食事×3回。

20000円強のバッグ

最後は5000円のラブホテル代の割り勘で2500円×3回分。


低賃金で貯金も少ない私にはたった一か月の間で底冷えの出費だ。

涼司りょうじさんへのプレゼント・・・。彼はブランドものが好きだし、いい加減な物は買えない。

また、また、また、お金がかかる。

それでも急いで週末の休みにショッピングモールへ行った。高すぎず安すぎず、おしゃれなメンズアクセサリーショップに入った。

 「彼氏へのプレゼントどれがいいでしょう?」

 女性の店員さんに聞くと、

 「彼女さんからのプレゼントならなんでも喜びますよ。」

 と、わたしが気になって見ていた商品に太鼓判を押した。以前もウィンドショッピングしていて指輪を試着させてもらい一目惚れしたアクセサリーショップだった。涼司りょうじさんにはとりあえず、ペンダントにしようかと思った。まるっきりわたしの趣味のような気がしたが、なんだか頭が回らなかった。値段は一万円を切るくらいだった。


購入してラッピングしてもらったプレゼントを大事に抱え帰宅した。


 翌日、仕事場に来ると、どこか非日常から解放されたような安心感があった。プライベートでは、高いプレゼントを買うとか、しかも気に入ってもらえるかだとか、知らず知らず不安でいっぱいだった。

仕事場でいつものように社員さんから仕事を依頼される。丁寧にわたしに頼む男性社員さんの横顔がわたしの心を安らげていた。既婚者がほとんどで、社内恋愛も暗黙のご法度の仕事場だけれど、ほっとした。このまま出会いがなくても仕事をしていられればいい…なんて男性社員さんの髪のくせを見つけながら思っていた…。



 退勤後、車に滑り込むなりスマホを広げ、LINEを打った。

「別れましょう。」

他に言葉を思い付かなくてそれだけ打って、、そして返事が怖くてLINEをブロックしてしまった。


3日経って何かコーヒーでも飲みたくて珍しくコンビニに寄ると、どこかあの人―涼司りょうじさんに似た面影を見た。

背丈とか、髪型の感じが似ていた。そのお客さんを目で追うと黒のセダンに乗り込んだ。助手席を見れば綺麗なオレンジベージュのリップの髪の毛が長い美人な女性がすまして座っていた。

わたしは、めまいがした。彼が彼が涼司りょうじさんが!もしかしたらもう他の…わたしよりよっぽど綺麗な女性と情事を交わしているかもしれない……!!!!!!


車に戻ると慌ててブロックを解除した。

「会える?」

涼司りょうじさんにLINEした。

「今週は仕事。プレゼントは友達にあげた。」

彼からの返事は意外に早く、短く、そして取り戻しができないとニュアンスさせたものだった。

「プレゼントあげたの?誰に?ねぇ?誰に?」

「プレゼントはあげた。」

「だから誰に?」

わたしのしつこい問いにもう答えはなくどうやらブロックされたようだった。どうしようもない喪失感に襲われ彼を奪われたくないと焦った。

慌ててわたしは彼の電話番号に電話したが、一旦ベルをとられないまま切れ、そしてまた、着信拒否。

家へ急いで帰って母の携帯をこっそり持ち出しもう一度彼に何度も電話をした。

彼は出なかった。

しばらくして母がわたしの部屋に携帯を持って現れた。男性から電話が来ていると言う。

わたしは母から携帯をを奪い電話に出ると、

「あなたのために服もバッグも買ったのよ!あなたへのプレゼントも!」

とわたしは叫んだ。

「精神病院に診てもらった方がいい!おかしいよ!」

と彼にも怒鳴られ電話は切れた。

頭のおかしいわたしとじゃ話にはならなかった。

冷静になれないわたしは彼を本当に好きではなかったのかもしれない。でも30過ぎた寂しさが彼を手放すのを怯えて叫んでしまったのだった…。


涼司りょうじさんとお付き合いして過ごしたのは9月のたった一か月くらいだった。そのうちに数万円失った。貯金も大してないので大きな出費のような気がしたが、それはお金の減少より心の穴なのかもしれなかった。

通帳の数字を追いかける指は自分の人生の経歴をなぞるようだった。

普通に学校に通い卒業して普通に社員として就職できたなら…お金なんて些細な出費だったし、

もっとお互いに知り合い理解した上での恋愛ができたかもしれないなんて…

心の穴は最低なことを想像し絶望ばかりを見つめた。


 リビングの傍らで、オーディオは空気のようにオンにされていた。

 「…思い出したくもないようなことがいつまでも消えないな…」

 「?」

 「ぐしゃぐしゃの頭の中 一つも整理できないがつかずに

  …思い出した…」

 オーディオはわたしに呟くようにメロディに乗せてしゃべった。

 『…怖かったのに…辛かったのに…誰も信じてくれなかったのに…』

 メロディを口に含んだ。

音楽の歌い手は―他人でそして畏れ多いほどの才能の持ち主で…、いたずらにすり寄ろうとすると失礼に値する。それでも吐き出し口や正しいだろう答えを見つけられない私の、大事な大事な…身内…のようなメロディ…。。


 曲は『シンデレラグレイ』、米津玄師さんの歌。米津玄師さんの声に聴き入った。8月から時間が経ってずいぶん久しぶりのようだった。


冷静さを保つことなんて、いい人を演じようだなんて、ああ、わたしには…。


10代の時に

ノートの隅に書いた。


「時は経つ

追いかける人もいなくて

ガラスの靴は黒ずんでいく」


フリースクールの寮に住んでいた時に余暇に。そんな短歌めいた文を書いた。心の吐き出しとレクレーションのために。


 だけれど、

短歌として優良であるかどうか…よりも、解っていたのだろうか、この言葉の意味を。

ガラスの靴が黒ずんでくって?

使えなくなるって?

ねぇ …。


 そして、10年以上、時は過ぎた。

結局独身で大して愛も育めなかった。

予感してた通りの現実を、覆せなかった。

友達はやっと1人、たった1人だけいる。

そして単身で老けだけが残酷に進んでいく。


(もし、いいこぶらずに、

 大して整えることもできてないのに体裁ばかり気にしないで、

 10代から20代始めのあの頃、わたしを雑に扱ったフリースクールの先生に言えたなら、

 「わたしってなんなの?」って。

 そうして自分の存在価値を確かめて自分を奮い立たせて心を浄化させて生きていけたら良かったのに。


ちゃんと言いたいことは今度は言ったんだ。

幼稚じみたことしか言えなかったけど、精一杯を…。前よりましだと…。


「…あなただけに その声だけに 優しくされたかっただけだったのに」words by 米津玄師

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