支配の絡繰り糸が運命の糸へと変わる時、人形は人へと生まれ変わる

時の権力により、孤児たちから生み出された20体の『殺戮人形』。
権力者の支配という見えない絡繰り糸に操られ、人を殺すための道具と化した彼女たちは、最終試験と称して、一人の冒険者の暗殺を命じられる。
権力者たちは知らない。命を狙われる冒険者も知らない。
そして、『殺戮人形』たちも知らない。
これが、自己の意志持たぬ彼女たちを、人間に戻すことになることを。
支配の絡繰り糸が、運命の糸に切り替わる瞬間になることを……。


殺伐とした世界観の中で躍動する、不敵な冒険者の存在感が圧倒的。
彼の影響で変わっていく20人の少年少女たちの様子も、とても繊細にしっかりと描かれていて面白い。

今後、彼女たちがどういった道を、人として歩んでいくのか期待の一作。
是非ご一読を。




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