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概要
一時間だけ、消えます。
街を颯爽と歩いていた駒形ミサキは、突然ピタリとその場に立ち尽くした。腕時計に目を落とすと9時5分になっていた。「ええ、ウソ。またぁ? 勘弁してよ、本当に。いつになったら治るのよ……」ミサキはある日を境に一時間前の記憶だけがなくなる超限定的な記憶喪失になっていた。10時5分。胸が締め付けられるように苦しい。吐く息が酸っぱい。足の裏がズキズキと痛む。気づくとミサキは走っていた。訳がわからないミサキは走るのをやめ、ハンドバッグからメモを取り出す。そこにはミサキ本人の字で『止まるな、走り続けろ、地下鉄に乗れ!』と書かれたメモが……。
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