死すらも救いではない

 いくつかのダークファンタジーを読んできて、常々思っていた「絶望して自殺してしまう事もあるかも知れない」という私の考えを、「死すらも救いならない」と覆してくれた作品でした。

 どういう経緯を辿ったのか、またどのような力が働いているのかは分からないけれど、この世界では死者は屍人というモンスターになると明言され、かつ仲間だった登場人物の死に際しても、そうだというセリフが出てくるこの物語は、生きる事も死ぬ事も救いにならないものでした。

 敵を圧倒する力を持つ者もいないが故に、その設定に程好い緊張感が生じているように感じました。

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