決して強くはない優しさ重視の主人公が、時に挫折し温かな仲間に励まされながら、必死で生きていくという、人の心がたいへん受け入れやすい王道ストーリー。
実に物語に安定感がある。屍人というグロテクスな存在を多数登場させていたり、弱い主人公なので大切な物を失うシーンもしばしば含まれてくるにも関わらず、読者の胸に嫌悪感を抱かせない。
むしろ、主人公を応援したくなる状況に持っていく手腕は見事。
こういう背骨がしっかりとした物語は、安心して読み進めることができるのが魅力だ。
どんな人が読んでも、一定以上の楽しみを得ることができるだろう。
物語はまだ2章。ここからどんな展開を見せるのか期待の一作品。
とっつきやすい異世界転生系(転移かも)でありながら、その内容はかなりハード。
いきなりの残虐シーンに驚きましたが、ストーリーを読み進めていくにつれて序盤の展開になるのが怖くなって来ました……
文章はセリフが多すぎるということも、説明がくどすぎることもないちょうどいい塩梅の非常に読みやすい文章でした。
表現がしっかりしているので、しっかり考えなくても自然と情景が頭に浮かぶようでした。
キャラ立ちも素晴らしく、シスコン兄貴の様子は見ていて面白かったです。
疲れない体が特異能力と感じていないあたりは少しだけ疑問でしたが、今のところ主人公が無双したり、チート技を使っているわけではないので、異世界チートが苦手な人でも読みやすいと思います。
ほとんど詰んだ世界で、主人公・シンヤくんがいかにしてこの世界を救うのか。
それとも救えず命を散らしてしまうのか……
続きがとても気になります!
"面白い話に必要なのは何だ?"
その問いを求めて辿り着いた先に有るのは、きっとこんな物語なんだろう。
先ず、語彙が分かりやすい。
厨二病を半年程 寝かせて発酵させたような、深夜 2 時の二次創作界隈で漂ってそうなドギツさや、基準点も設けずスカウター大量廃棄するようなステータスが無い。
スッと頭に気持ち良く入ってくるんだ。
展開や構成も良い。
この作品は必要最低限の3 人称視点を採用しているが、決して描写のセル画一枚たりとて蔑ろにする事が無い。だから頭ン中でアニメーションがポンポン浮かべられる。
ほら、豪快にステーキ!と言っときながら火加減一度、サシの傾き、ひとつまみの質量まで拘ってる職人みたいな……まぁそんな感じ。要はスッゲー美味い。
で、内容。
王道?……じゃねーなコリャ、転生っていうから半ば諦めて読んでたんだけどね。コレがまた不思議極まりないダークファンタジーなんだ。(違ってたらゴメン、)
言っても暗すぎる訳じゃ無い。何処ぞの火星みたいにヒロインが即ハローグッバイって事はないから、そこは安心してくれ。
今僕から言えんのはコレぐらい。あとは君自身の目で…………え、話長い?ゴメン、