このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(94文字)
寒さは生き物には大敵だ。とくに雪は生命を容赦なく奪う厳しさがあり、冬眠して冬を越す動物もいる。そんな雪の季節に少年は少女と出会う――冬にしか会えない不思議な少女、少年の一途な想い。雪の日に始まった恋の物語を綴った本作は情景が美しく、冬の寒さを忘れさせるくらい温かいです。寒い今の季節にぴったりで、読後感の良い物語なのでおすすめです。
東北の冬の山で出会ったユカとアキラ。冬しか会えない二人は想いを募らせていく。やがて、ユキの告白にアキラは絶望を抱くも、諦め切れないでいた。オレは、ただ・・・ユキに会いたいんだ・・・ひたむきで切なく お互いの思いがヒシヒシと いや、深々と胸に押し寄せてくる純愛の物語。読後、「ウオッ~」って叫びたくなる程の爽やかさ。女性なら胸キュンする様なステキなお話です。
二人の純愛は読む人を魅了する素晴らしい作品。まず、東北の片田舎という設定は私をは引き付けた。私の生まれ故郷を連想させるからだ。そこまで雪深くはない田舎で出会った若い男女。アキラとユカ。ユカは叶わぬ恋と知りながらアキラと冬だけ出会う。雪女との悲恋か?と思いながら読み進めると…。予期せぬ事故で記憶を失くすが、ユカに再会し記憶を取り戻す。その場面は昭和世代の胸を打つ。こんな恋愛なら今からでもしてみたい。作者はハッピーエンドとという素晴らしい形で締めくくった。読み終えるとさわやかな風が心の中に吹いた。
雪の中に咲く花のような女性を、長い歳月、ただひとつの想いをもって手にする恋の物語です。静寂と激しさ、喪失と再会を、冬という季節にリンクさせた描写が印象に残りました。偶然の奇跡でなく、確かな想いがあったからこそ訪れる必然の結びに、心地のよい読後感が得られます。
どこか不思議な女の子と普通の男の子の組み合わせって良くないですか?僕は大好きです。 心酔するほどに愛せるのは運命の人に会えたからなんでしょうね……
冬にはやはり恋愛ものが似合うと再発見させてもらえる物語。しっとりとした文体で、どこか幻想的で、純粋な物語が語られています。時間の余裕があるときに、大切にゆっくりと読んでください。どんどん気持ちがあたたかくなります。
冬といえばやはり恋。それも燃え上がるような真夏の恋ではなくて、しんしんと降り積もる雪のような切ない恋が似合いますね。ドラマさながらの純愛に心が動かされました。主人公の雪華ちゃんに対するひたむきで一途な想いがよく描かれていて、感情移入しながら読むことができました。文章も変に飾ったところがないので、主人公の心理がストレートに伝わってきます。
純朴という言葉がぴったりくる内容。単純明快な筋が把握し易く、登場人物の演出もしっかり絞り込んであって簡単に感情移入できる。 たまにはこういうホッとする物語も悪くない。 必読本作。
東北の美しい風景が目に浮かぶような作品。 ゆっくりと、しっとりとした文体は、読んでいると、どんどん心が落ち着いていきます。 漫画や映像では味わえない、小説ならではの醍醐味。 少女には秘密があり、その秘密が分からない主人公の少女への想いに、こちらも心が揺さぶられます。すれ違う二人は本当に切ない。 幻想的で、静かで、温かい冬。ゆっくりとコーヒーを飲みながら読みたい作品。至福の時間をぜひ!
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