幻術師と弟子の色味のある暖かなお話
- ★★★ Excellent!!!
ある孤児院の出であるルカは、その人間の固有の色を見れる瞳を持つ。多くの暗い色に当てられていく中、とある幻術師アーサーにより引き取られる。
彼の放つ色はルカにとって眩くも心地がいい色であった。アーサーは不思議な術を使うも、魔術ではなく幻術らしい……。彼の力は鍵番というものと関わりがあるらしく、一年だけ弟子であってほしいとアーサーから言われた。
そんな送る彼との日々は不思議ばかり。
雇われ夫妻から日常生活について教わり、先生の従兄弟が押しかけてきたり、先生からは働いている劇場のお手伝いをするなど。
先生とルカの日々は充実していく。
どうやら、アーサーの一族が背負う鍵番という役割。また先生の過去はルカにも関わりがあった。
少し不思議で優しいお話で、文もすごく色味があって、心にもすっと入ってきます。蝋燭の灯火のような暖かさと、不思議な物語を味わいたい人におすすめです。